セミグラ作成機 マニュアル
写真やイラストを、8bitパソコンの画面(セミグラフィック)で表示できる画像に変換するツールです。色の分解、ディザ、輪郭線の重ね合わせを組み合わせて、機種の制約の中で見栄えのよい画像に仕上げます。結果はDumpListEditorへ送って、そのままプログラムやファイルにできます。
概要
- 画像を読み込むと、6つの画面を順に経由して、最終画像(拡大画面)ができあがります。
- どの設定も、変更するとすぐ結果に反映されます。変換ボタンはありません。
- 設定を変えたとき、変更した段階より後の画面だけを再計算します。右上の「(2)0.171[sec]」は、再計算を始めた画面の番号と、かかった時間です。
- 対応機種は、PC-8001、PC-8001+PCG(PCG-8100/8200)、MZ-80K/MZ-700、MZ-80B、MZ-1500、PASOPIAです。機種メニューで切り替えます。
起動のしかた
DumpListEditorのメニュー「ツール」から「セミグラ作成機」を選びます(図1)。
図1 「ツール」メニュー。上から2番目に「セミグラ作成機」があります。
3分でできる変換
- メニュー「機種選択」で、出力したい機種を選びます。
- 画像ファイルを、画面左上の小さな画像(画面1)にドラッグ&ドロップします。クリップボードの画像は「Paste」で貼り付けます。
- 画面1をドラッグして位置を、マウスホイールで大きさを合わせます。
- 右上の「8色フル機能セッティング」などのボタンを押して、基本の設定を選びます(10章)。
- 右の拡大画面を見ながら、色分割の強さや、ディザの強さを調整します。
- 下の「DumpListEditorに送る」で、結果をDumpListEditor本体へ送ります。
画面の見かた
画像の番号をクリックすると、その部分の説明へ移動します(図2)。
図2 セミグラ作成機の全体(PC-8001の例)。
- 1メニュー
- 2原画像(画面1)
- 3サイズ・位置
- 4色分割(画面2)
- 5色ごとの強さ
- 6明るさ・ガンマなどの補正
- 7白黒ディザ(画面3)
- 8ディザ合成(画面4)
- 9外枠塗・領域塗
- 10色変換・ディザ選択
- 11セッティングボタン
- 12ユーザー色
- 13線画(画面5)
- 14エッジ合成(画面6)
- 15拡大画面
- 16出力・送信
処理の流れ(画面1〜6)
左上から順に、6つの画面を作ります。各画面の下に「Copy」「Paste」「Reset」があります。
| 画面 | 内容 | 元になる画面 |
|---|---|---|
| 画面1 | 原画像を、機種の画面サイズに合わせたもの | 読み込んだ画像 |
| 画面2 | 色分割。使える色に分解した画像 | 画面1 |
| 画面3 | 白黒ディザ。明るさを白黒の点の密度で表した画像 | 画面1 |
| 画面4 | ディザ合成。画面2の暗い部分を、画面3で黒(または白)にする | 画面2+画面3 |
| 画面5 | 線画。輪郭線を抜き出した画像 | 画面1・画面2 |
| 画面6 | エッジ合成。画面4に画面5の線を重ねた、最終画像 | 画面4+画面5 |
画面間の矢印の前にある「↓」付きのチェックボックスは、その段階を使うかどうかのスイッチです。外すと、その処理を飛ばします。
1. メニュー
| メニュー | 主な内容 |
|---|---|
| ファイル | 画像の読み込み、結果画像の保存、拡大画像の保存、バイナリの書き出し、DumpListEditorへの送信など |
| 機種選択 | PC-8001、PC-8001+PCG-8100/PCG-8200、MZ-80K/MZ-700、MZ-80B、MZ-1500、PASOPIAを切り替えます。画面サイズや使える色が変わります(機種ごとの違い)。 |
| パラメータ初期化 | 設定を、基本の状態に戻します(セッティングと同じ内容を含みます)。 |
| 連続画面キャプチャ機/動画作成機 | 関連ツールを開きます。結果画像を動画作成機へ送ることもできます。 |
| 設定・デバッグ用 | 各種設定と、開発者向けの機能です。 |
| ヘルプ | Webのヘルプや、各機種の情報ページを開きます。 |
メニューの細かい項目名は、お使いのバージョンの画面で確認してください。
2. 原画像の読み込み
- ウィンドウのどこにでも、画像ファイルをドラッグ&ドロップできます。一度に複数ドロップしたときは、最初の1つだけ読み込みます。
- WEBページ上の画像は、右上の「←WEB上の画像はこちらにDragDrop」の欄にドラッグします。
- クリップボードの画像は、画面1の下の「Paste」で貼り付けます。「Copy」は、画面1の内容のコピーです。
- 画面1の上の「ファイル名」「オリジナルサイズ」で、読み込んだ画像を確かめられます。
一般の画像(PNG、JPEGなど)に加えて、次の形式も読み込めます。
| 形式 | 内容 |
|---|---|
| .bin | 各機種の画像データ(PC-8001のEMI形式、MZ-1500、MZ-80B、MZ-700) |
| .sc7 | MZ向けの画像ファイル。左上合わせで読み込みます |
| .txt | CGE7形式、またはMME形式のテキスト |
| .dat/.pic | BASICの画像データ |
3. サイズ・位置の調整
原画像を、機種の画面(160×100、または320×200)にどう収めるかを決めます。
| 操作 | 働き |
|---|---|
| 配置のプルダウン | 中央揃え/左上合わせ/横を合わせる/縦を合わせる/縦横を合わせる、から選びます。縦横を合わせると、画像が引き伸ばされます。 |
| 大きさ・X位置・Y位置のバー | 拡大縮小と、位置の微調整です。両端の「<」「>」「∧」「∨」ボタンで1つずつ動かせます。 |
| 画面1上でドラッグ | 画像を直接ずらします。 |
| 画面1上でホイール | 拡大縮小します。 |
| 補間方法のプルダウン | 縮小のしかたを選びます。「おまかせ補間(高速)」のほか、線形補間、最近傍、ドット平均などがあります。細い線を残したいときは、補間方法を変えて見比べてください。 |
4. 色分割(画面2)
画面1の色を、機種で使える色に分解します。画面2の下のチェックボックス「色分割」で、使う/使わないを切り替えます。
- 左の色リストに、白・黄・水・緑・紫・赤・青・黒の8色が並びます。チェックを外した色は、使いません。
- 各色の右のバーは、その色の出やすさです。右へ動かすと、その色が増えます。
- その下に、「15色」用の暗い色(半分の明るさ)が8色並びます。「15色使用」にチェックすると使えます。
- リストの一番下に、ユーザー色①〜④の枠があります(12章)。
色の決めかたは、次の2つから選びます。
| チェック | 働き |
|---|---|
| カラーディザ | 誤差拡散法で、使える色の細かい点を混ぜて、中間の色を表現します。写真向きです。 |
| (オフ) | 各点を、いちばん近い色に置き換えます。色の境目がくっきりします。イラスト向きです。 |
MZ-80Bでは、使える色は緑だけです。
5. 色分割の補正
色分割の前に、画像の明るさや色合いを整えます。画面2の左下にあります(図2の6番)。
| 項目 | 働き |
|---|---|
| 明度・彩度(上) | 色分割の前に、明るさと鮮やかさを調整します。 |
| ガンマ補正 | 中間の明るさを、持ち上げたり、下げたりします。 |
| 白黒モード | 明るさだけを見て、白黒の画像として扱います。 |
| 明度・色相(下) | 色分割に使う、明るさと色合いの補正です。 |
| レベル補正(ヒストグラム方式) | 明るさの分布を引き伸ばして、コントラストを自動で整えます。 |
| レベル補正(色相保持方式) | 色合いを変えずに、コントラストを整えます。 |
| クリップLow/High | レベル補正で、暗い側・明るい側を何%切り捨てるかです。 |
| 太線補正(赤・緑・青) | 色ごとに、細い線を太らせる補正です。 |
6. 白黒ディザ(画面3)
画面1の明るさを、白と黒の点の密度で表します。画面3の右のプルダウンで、ディザの種類を選びます。
| 種類 | 特徴 |
|---|---|
| 組織的ディザ(4×4/3×3/2×2) | 格子状のパターンで、明るさを表します。数字が大きいほど階調が細かくなります。 |
| チェック/横線/縦線 | 市松模様や、縞模様で表します。 |
| 固定チェック/固定横線/固定縦線 | 濃さを変えず、決まったパターンだけで表します。 |
| 固定3/4/固定1/4 | 黒が3/4、または1/4の、決まったパターンです。 |
- 「Low」「High」のバーで、白黒の境目を決めます。「High<Lowでネガ」とあるとおり、High を Low より小さくすると、白黒が反転します。
- 「白黒ディザ作成」のチェックで、この段階を使うかどうかを切り替えます。
7. ディザ合成(画面4)
画面2の色分割に、画面3の白黒ディザを合成します。明るさの階調を、点の細かさで補う段階です。
- 「黒を上書き」にチェックすると、画面3の黒い点を、画面2の上に重ねます。暗い部分が黒くなり、立体感が出ます。
- 画面3の「白を上書き」にチェックすると、白と黒が逆になり、白い点を重ねます。
- 画面4の矢印の前のチェックを外すと、画面3をそのまま使います。画面2の色は使われません。
8. 外枠塗・領域塗
画面の外側や、一部の領域を、決まった色で塗りつぶします。
| 項目 | 働き |
|---|---|
| 外枠塗 | 左・右・上・下ごとに、チェックを入れ、幅(ドット数)と色を決めます。どの画面に塗るかは、左のプルダウンで選びます。 |
| 領域塗 | 左から・右から・上から・下から、何ドットの範囲を塗るかを決めます。色も選べます。プルダウンを「処理オフ」にすると、使いません。 |
見せたい部分だけを枠で残したり、余白を黒く塗ったりするときに使います。MZ-700では、外枠の色の指定にも使えます。
9. 色変換とディザ
図2の中央右にある表です。左から、ディザ選択、色、色変換のバー、色の見本、ドットパターンが並びます。
| 列 | 働き |
|---|---|
| ディザ選択(チェック) | その色を、白黒のディザ合成の対象にするかどうかです。 |
| 色変換のバー | 画面2の色を、別の色に置き換える割合です。表の列は、白・黄・水・緑・紫・赤・青・黒です。たとえば、赤の行で「青」の列にバーを置くと、赤が青に変わります。 |
| 色の見本 | 最終的にその色が、何色になるかを表示します。 |
| dotパターン | 4つのマスで、色の点の並びを指定します。2色を混ぜて、中間色を作るときに使います。 |
行は、基本の8色、半分の明るさの7色、ユーザー色①〜④の順です。色をクリックして変えられます。
10. セッティングボタン
右上の5つのボタンで、目的に合わせた設定を、まとめて選べます。押すと、設定が基本の状態に戻ってから、それぞれの設定が適用されます。
| ボタン | 設定の内容 |
|---|---|
| 色のみ変更セッティング | 色の変換だけを使います。ディザとエッジの合成を、オフにします。 |
| 8色フル機能セッティング | 8色で、すべての段階を使います。最初に選ばれている設定です。 |
| 15色分解セッティング | 15色を使い、半分の明るさの色を、市松(チェック)模様で表現します。ディザ合成と、エッジ合成はオフです。 |
| 15色(半分ディザ) | 15色を使い、半分の明るさの色を、白黒ディザで表現します。エッジ合成はオフです。 |
| 15色(フル機能) | 15色で、すべての段階を使います。 |
11. ユーザー色(スポイト)
画像から、好きな色を取り出して、4つの「ユーザー色」として登録できます。
| 操作 | 登録先 |
|---|---|
| 拡大画面を、左クリック | ユーザー色① |
| 拡大画面を、右クリック | ユーザー色② |
| Ctrl+左クリック | ユーザー色③ |
| Ctrl+右クリック | ユーザー色④ |
- 拡大画面の上にマウスを乗せると、その位置のRGB値が、「ユーザー色」の欄に表示されます。
- 登録した色は、色分割の色リスト、色変換の表、ドットパターンで使えます。
- 「Reset」で、ユーザー色を初期状態に戻します。
12. 線画(画面5)
画像の輪郭線を抜き出します。画面5の上のチェックで、この段階を使うかどうかを切り替えます。プルダウンで、線の抜き出し方を選びます。
| 方式 | 特徴 |
|---|---|
| 原画像線画化 | 画面1から線を抜き出します。図2は、この方式です |
| 原画像白黒 | 画面1を白黒にして、そのまま使います |
| 色の差・角度・加算・乗算・明るさ | 画面2の色の違いから、線を作ります |
| ラプラシアン | 明るさの変化の大きい場所を、線にします |
| 項目 | 働き |
|---|---|
| 濃度 | 線の出やすさ。右へ動かすと、線が増えます |
| 横幅・縦幅 | 線の太さ(横方向・縦方向) |
| 細線化 | 太い線を細くします |
| 同系色間の線不要 | 似た色の境目には、線を引きません |
| 線の色・背景色 | 「黒で描画」「背景白」などのプルダウンで選びます |
画面5の下の「←好きな画像で上書きできます」とあるとおり、「Paste」で、手描きの線画などを貼り付けられます。
13. エッジ合成(画面6)
画面4に、画面5の線を重ねて、最終画像を作ります。
| 項目 | 働き |
|---|---|
| 上書きのプルダウン | 線が、どの色を上書きするかを選びます。「全ての色が上書きされる」は、線の下の色を、すべて消します。 |
| 基本8色に丸める | 15色などの中間色を、基本の8色に置き換えます。 |
| 8ビット単位で色を1つにする | 2x4の8ドット(1文字分のドット)を1つの色にそろえます。PC-8001のように、8ドットごとにしか色を指定できない機種向けです。 |
| 角の黒塗り/全黒塗り | 角の部分、または黒の部分全体を、黒で塗ります。 |
| 色変え20回制限(11→11) | 1行の色の切り替えを、20回までに制限します。PC-8001の色指定の制限に合わせます。 |
| 強制FF | 属性を、強制的に「FF」にします(右のバーで強さを決めます)。 |
| MZ-700的な | MZ-700の表示のように、色を処理します。 |
| ディザ強度 | 画面6での、ディザの強さです |
機種によって、初期状態が変わります。PC-8001では、「8ビット単位で色を1つにする」と「色変え20回制限」がオンになります。MZ-80K/MZ-700では、「8ビット単位で色を1つにする」と「MZ-700的な」がオンになります。
14. 拡大画面
右の2つの大きな画面です。画面1〜6のどれでも、拡大して表示できます。
- 「拡大画面1」「拡大画面2」のラジオボタンで、表示する画面(画像1〜6)を選びます。図2では、上が画像1(原画)、下が画像6(最終画像)です。
- 拡大画面の左下のプルダウンで、拡大の倍率を選びます。
- 「Copy」で、表示している画像を、クリップボードへコピーします。
- 「MZ-700隙間表示」は、MZ-700の、文字と文字の間の隙間を表示します。
- 拡大画面をクリックすると、色を取り出せます(12章)。
15. 出力・送信
| 操作 | 働き |
|---|---|
| DumpListEditorに送る | 画面6の画像を、DumpListEditor本体へ貼り付けます。名前は、Image000、Image001…と付きます。書き出しは、本体側で行います。 |
| 動画編集画面に送る | 画像を、動画作成機へ送ります。 |
| 画面コピー | このウィンドウの画面を、クリップボードへコピーします。 |
| メニュー「ファイル」 | 最終画像の保存(BMPなど)、元の画像の保存、拡大画像の保存、バイナリの書き出しなどがあります。 |
画像を保存するときの拡張子で、形式が変わります。
| 拡張子 | 内容 |
|---|---|
| .txt | MZ-80K/MZ-700モードではCGE7形式、PC-8001ではPUT文のテキスト。それ以外の機種では保存できません。 |
| その他 | 通常の画像ファイル |
機種ごとの違い
| 機種 | 画面サイズ | 特徴 |
|---|---|---|
| PC-8001 | 160×100 | 2×2ドットのセミグラフィック。色の制限(横8ドット単位、1行20回まで)に合わせます |
| PC-8001+PCG-8100/8200 | 320×200 | PCGを使って細かく描画します。PCG用の選択、混ぜ具合のバー、PCG指定のガイドなどが現れます |
| MZ-80K/MZ-700 | 160×100 | MZ-700は、色と隙間の扱いが特殊です |
| MZ-80B | 320×200 | 緑の1色(白黒)のみです |
| MZ-1500 | 320×200 | 8色を使います |
| PASOPIA | 160×100 | 送信は未対応です |
機種を切り替えると、画面のサイズ、使える色、画面6の設定が、自動で切り替わります。
コツ・困ったとき
- 全体が暗い/明るい:レベル補正(ヒストグラム方式)をオンにするか、ガンマ補正を使います。
- 色がべったりして見える:「カラーディザ」をオンにします。
- ざらざらして見づらい:ディザの種類を、固定パターンなどに変えるか、ディザ合成をオフにします。
- 輪郭がぼやける:線画(画面5)をオンにして、画面6で重ねます。線が多すぎるときは、濃度を下げます。
- PC-8001で色が崩れる:画面6で「8ビット単位で色を1つにする」と「色変え20回制限」をオンにします。
- 設定が分からなくなった:右上のセッティングボタンを押すと、設定が基本の状態に戻ります。
- 画像が出ない:画面1に画像が読み込まれているか、確認します。